タロット☆マジック【完】
「で、蓮斗くんは『魔術師』! どーだっ!」
『どーだっ』って……別に、そこで得意気な顔しなくても……。
「俺……魔術師? ……カッコイイ……。」
「でしょ? それで、じゃんじゃん客を呼んでください!」
宣伝に使うのか。
まあ、悪くない作戦だと思うけど。
「あっ、もうすぐ始まるよ! 準備ッ!」
私は渋々、制服の上から服を着た。
凜子は、愚者の服にトイレで着替えてくる! と言って走って行った。
蓮斗の服は上から着られるもので、すぐに着替えることが出来た。
「……なんだこれ?」
蓮斗の言葉に、私はその物体を見る。
「……看板でしょ。」
私は、その看板に書かれた文字を見て、思わず踏みつけそうになった。
『占いの館。綺麗な占い師が、占いするよ☆』
……動揺して、凜子によく分からないような事を、喋りまくっていた気がする。