タロット☆マジック【完】




私が動揺しても、時間は進んで。




いつの間にか、暗めの部室で欠伸をしていた。




……眠い。




さっきまで、行列だったのに……やっぱり、昼時だからだろうか。




そう言えば、お昼を食べてない……。




カバンから、お姉ちゃんの愛情がこもった弁当を出した。




今日は、自信作らしい。




蓋を開くと、いつもよりマシそうな盛り付けに、おかずたち。




パクパクと口に運んでいると……。




―― ガラガラッ




……来た。




私は、弁当を閉まって前を向いた。




「こんにちはー。占いを――……」




高校生ぐらいを思わせる男。




「何を占いますか?」




少し気分がいいから、ちょっと微笑んで言う。




< 52 / 132 >

この作品をシェア

pagetop