タロット☆マジック【完】
水谷ライチ。
女子がキャーキャー騒いでるのを、聞いたことがある。
『今日はバスケでスゴイ活躍した!』
『男子たちが惚れるほど、真っ直ぐ。』
などなど……。
すごいヤツだって噂は、よく耳にした。
でも、そのあとに……必ず、『――のに。』と言うような言葉がくっついていた気がする。
『――』ってなんだ?
小さいのに?
いや、そこそこある……。
頭を悩ませ、もう少しで分かる――……というとき。
「おーい! 蓮斗くん? 違う世界に飛んでますねー?」
凜子が、目の前で手を振る。
「あっ……ごめん。」
「ははっ、変なの!」