タロット☆マジック【完】
凜子の笑顔に、今度は思考が飛ぶ。
「おーい? れ・ん・と・くーんっ!」
「……あ。」
「もー! 蓮斗くんってば~!」
……なんで……なんで。
なんで、笑顔なんだーーー!!
そう思うと同時に、その笑顔が自分に向けられていると思うと――……。
顔が熱くなって、何も考えられない。
こんな時、俺の兄貴なら微笑むだろう。
それさえできない俺は、相当ヘタレ。
いや。兄貴が異常なんだ!!
もう、赤い顔を隠してしまいたい……。
「あれ? 蓮斗くん赤いよ。熱?」
俺の額に、少しヒヤッとした手が触れる。
思考停止――……。