月とバイオリン
「落ちてきたんだけれど、ウィリアムが受け止めてくれたの。気を失ってるだけだから、心配はないそうよ」

シェリーの指が指した方向に目を向けたメアリーアンは、信じたくはない気持ちでいっぱいだった。

そしてそこに見たものは、まさに信じられるものではない。

壊れた木枠、闇の空。


「天窓――から?」




落ちて?




……。
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