暁に消え逝く星

 イルグレンを確認すると、三人は立ち上がる。
「皇子様!!」
 押さえてはいるが、切羽詰ったようなソルファレスの声が聞こえる。
 胸に手を当て、最敬礼する。
 イルグレンには、その仕草が何かそぐわぬように感じられた。
「イルグレン様、こちらへ。お座りください」
「――」
 一瞬戸惑うイルグレンに、アウレシアも促す。
「ほら、あんたが座ってくれないと、あたしらも座れないんだよ。行って」
 イルグレンは寝台のエギルディウスの隣に座った。
 それから、エギルディウスが皇子の隣に座り、残りの五人が床板に敷かれた絨毯の上に座り込む。
「――」
「イルグレン様。ご無事で何よりでした」
「心配致しました」
 エギルディウスとソルファレスが声をかける。
「大事ない。それより、話は聞いたのか?」
 リュケイネイアスがソイエライアに視線を流す。
「ソイエ、今日のことをエギル様に報告してくれ」
「わかった」
 ソイエライアがエギルディウスとソルファレスに簡潔に今日の出来事を説明する。
 エギルディウスとソルファレスは渋い顔をしてそれを聞いていた。
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