妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~
「…………。」
「…お前の両親は」
「やめてッ!!!」
魄弥の声を遮り私は悲鳴にちかい叫び声を出していた。
自分でも驚いている…
もう、両親の死を受け入れていると思っていたのにこうやって聞かされると耳をふさぎたくなる…
受け入れたくないと思ってしまう。
私はずっと前に進めない。
どうして私は弱いままなんだろう。
「―…彩花。」
真剣な表情。優しい声。
冷たい手が私の目元を拭う。
―……私は泣いていた
けれど…。
「離して。」
そうだ。私は一人で生きていかなければならない。
傷つかない為に…。
「無理だ。もう離さない」
目元を拭っていた手が私の後頭部に、もう片方の手が背中にまわされ気付いた時には彼の胸の中におさまっていた。
「やだ!離して!!」