ミルクティー
皮肉にも告白したあの日の映画を今日観れそうだ。

レンタルショップは平日だけあって選び放題の状態だった。
それがさらになんか空しい。

家に帰ってコーヒーを飲みながらDVDを流したものの観る気に
はなれなかった。
―明日まで借りたから夜見よう。

ぐったりと日も暮れてきてボクの気持ちは更に落ち込む。
―今頃行ってんのかな。相手はどんなやつらなんだろう?
まったくどうでもいい事が頭の中にモクモク湧いてくる。

「よしさっさと風呂入ってDVD観て寝るか!」
自分に言い聞かせてシャワーを浴びる。

シャワーの音が雨のように耳に響く。
―なんかちっちゃいなぁ。明日は出掛けよう。


と思った時。「ピンポーン」となった…ような気がした。
「こんな時間に誰だよ。怖いな。無視無視。」

上がってさっぱりしながらもまさかと玄関を開けてみる。

誰もいない。

「何だよ。最近ぶっそうだから。男でもこえーなぁ。」
と独り言を言いながらDVDを前にビールを注ぐ。
「ぷはぁ♪うめー。」グビグビ。


―よし!気合い入れてみるぞ!
と思ったその時、「ピンポーン」と確かに鳴った。

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