伝わるコトバ


「先輩!!

卒業、おめでとうございます。
好きです」

「お前最後までそれかよ!!」

「いいぢゃないですかー」

「どのへんがいいんだよ」

中庭の、大きな木の下。
桜の花びらが散っている。

「桜がついてる先輩もステキですよ♪

好きです」

「…お前の好きと俺の好きはちげぇよ」

「え。なにがです…」

言い終わる前に、キスをした。
真っ赤になっている夏美が可愛くて愛おしいかった。

「俺の好きは、こーゆーことなんだよ!!」

「…あたしだって」

「あ?」

「あたしだって先輩と同じ気持ちです!!

チョコも犬も好きだけど…

先輩のことは大好きです!!!」

俺は、小さな身体を抱きしめて囁いた。

「俺は、チョコよりも犬よりも…

お前を愛してる」


小さな身体が震えて、夏美は泣いていた。

「先輩…

あたしもです」


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