俺が唯一愛した女


「優斗帰んの?久々やのに打ち上げ来いよー」



『打ち上げな…』



本音を言えば参加する事自体面倒くさい



「優斗ちょっと…」



『…ん?』



突然1人の男友達に
名前を呼ばれた俺は



「あの女が呼んでるで」



そう言って
その男友達は廊下を指差す



『…誰?』



男友達が


指を差した方向を見ると
2人組の女が頭を下げる



『……。』



俺の高校は
卒業生が作った変な伝統があって



好きな相手に自分の胸の
カーネーションを渡すと



思いが伝わるとか。



" 貰って下さい!! "



" ボタン下さい!! "



" 卒業アルバムに好きって書くだけ書いて下さい!!"



「相変わらず優斗はモテるなぁ~♪」



『…うるせえ』



書けないし、貰えない
ボタンもあげられない



この応対が非常に面倒臭い…



卒業式が終わり
なんだかんだずっと呼ばれっぱなし



「優斗そろそろ打ち上げ行くで~」



俺はとにかく、早く帰りたかった。

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