シンデレラの王子は。

ドキッてするのも無くなった。さっきのはやっぱ、なんかの間違いだよね。変に意識しちゃってたのも、気まずくなったのも、なんかの間違いだよね。
うん、絶対そうだ。
「ちなみに、あの大声出してるの、ELUCAの一ノ瀬琉葵だよ」
「は?まぢで?ちょ、神谷、あの一ノ瀬とも知り合いな訳?」
「うん、まぁ」
「お前、何者?!」
「と言われましても」
高橋くんのテンションの上がり具合は本当に半端じゃない。
さっきまでアイツ呼ばわりしてたくせに。
ウキウキしちゃって、ELUCA好きなんだね。バスケ好きなんだね。
解りやすい。
「はい、羽海ちゃんの分。祐紗が渡して来いってうるさくて……で、そちらは?」
「あ、こっちは高橋くん?高橋彼南汰くんです。」
「高橋彼南汰っす」
チャラっ!!
挨拶の仕方、チャラっ!!
「ふーん。じゃ、俺は行くね。羽海ちゃん、応援頼むよ♪」
「は、はい。」
手を振って爽やかに戻っていこうとするが、何かを思い出したようで、こちらに向かってくる。
一ノ瀬さんがアタシの目の前に立つと、高橋くんがいるのもお構い無しというように、耳元で何かを囁く。
「帰り羽海ちゃん予約♪
あと、告ったのの返事、考えといてよね。」

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