恋愛談義!
泣く?
また?
やめてよ。嘘でしょ……。
右目からもこぼれる涙をぬぐおうにも、その余力がない。
仕方なく井上礼央のジャケットに頬を押し付けて、声を押し殺して泣いた。
「もう……可愛いんだか、憎たらしいんだか……ほんと、わかんねぇ……」
井上礼央は、くすっと笑いつつ、階段を上り始める。
カン、カン、とうるさいほど響く、アパートの階段。
「ちょっと、鍵取るから。鞄ん中あさるよ」
誰があんたを私の部屋に入れてやるって許可したのよ。