恋愛談義!
過去の私は、他にもいい条件の会社にいくつか受かっていた。
正直いって『ボナペティート』はあくまでも保険に過ぎなかった。
そして幸せな結婚のために男を選ぶなら、その他のいくつかの企業に入社したほうがいいと、理性ではわかっていたというのに――
面接を重ねるにつれて
やたらめったら明るくて、陽気なイタリア人のような、この会社の姿勢に惹かれていったんだ。
「――あの時だよ。俺の思い出のお姫様は俺のことをさらっと忘れてるけど……やっぱり俺は、こいつのこと好きなのかもしれないし、一生追いかける運命なのかもしれないって思ったの」
まっすぐに私を見つめる井上礼央の瞳の前に
自分を守るために、幸せのために積み重ねていたはずの嘘がボロボロとはがれていく。