恋愛談義!

井上礼央はクスッと笑って、私の頬に残った涙のあとを、指でぬぐう。



「そんな私が見てみたいの?」

「うん」



私が素直になれないことを百も承知で、うなずく井上礼央。


あんたがそのつもりなら――


隣で鼻歌を歌いながら歩く彼の顔を見ないまま


そっと彼の手を握る。



「――!!!!」



ぴん、と緊張したように背筋を伸ばす彼。


猫背が伸びている。



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