恋愛談義!
何やってんのよ、あのバカ。
この忙しい時間にキャッキャウフフしてたら、ウチまで周囲に白い眼で見られちゃうじゃないの。
私は首の後ろで一つにまとめていた髪留めを外し、手の甲で空気を入れる。
そしてとびっきりの笑顔を作って、
「井上君、お待たせ!」
と声をかけた。
井上礼央に夢中になっていた二人の学生は、ぎょっとしたように私を見つめる。
「――青木サン、お帰り」
「外で食べてもいいけど、これよかったら」
「あ、マジで? 外行くの面倒だから助かる」