恋愛談義!
私はこの瞳を知ってはいないだろうか。
「――冗談やめてよ……私とあんたの間で、キスなんかしても意味ない」
結婚する予定もない男とキスなんて。
力の入らない腕を持ち上げ、私の頬を挟んだままの井上礼央の手首に手をかける。
「意味なんか求めてどうするんだよ」
「意味のないことなんてしたくないのよ……! 世の中のすべてのことには意味があって、幸も不幸も、全部、意味があることだって思わなきゃ……!」
私は何を言ってるんだ。
「青木サン……」
「手、離してっ……」
井上礼央の手の甲に、爪を立てる。