…TRIANGLE…
────携帯の通話終了ボタン押して、枕に顔をうずめた。
設定温度を下げたエアコンからは、冷たくて気持ちいい風が吹いている……
「───おいナツ、起きろ」
隼斗の声がして、揺すり起こされる。風が強くあたり過ぎていたのか、左腕が痺れてる。
「はやく起きないと、隼斗様のキスで目覚めさせるぞ?」
「なんだよ……キモいな。俺に近寄るな、バカ隼斗」
目を開くと、部屋の窓から西日が見える。もう夕方かよ。信じられねぇ、まじで俺の一日睡眠で終わった。
隼斗はいつも勝手に俺の部屋にあがりこんでいた。
「起きたか? よかった。ナツがわざと寝たふりしてたら、どうしようかと思った」
「なんで、俺が寝たふりすんだよ?」
隼斗は、椅子に座り本棚のバスケ雑誌をめくった。
「ナツが彼女を作らない理由の一つとして、実は男が好きなんじゃないのかって見解もある」
サラリと爆弾発言しやがった。
「オマエ本気で言ってんのか?」
「本気なら、部屋に来ないよ。襲われたくないしな! ハハハ!
それより、あと五分で五時だ。着替えてその髪型どうにかしろよ! 寝癖ついてる」