捨てられない恋
「つうか俺らタメだから
敬語じゃなくていいよ」
そう言うと彼は私の隣に、ストンと腰をおろした。
「あ、同い年なんだ…」
でも…
なんでこの人、
私が1年って知ってるんだろう。
私がいじめられてる事も
もしかしたら知っているのかもしれない。
隣に座る謎の彼に
色々聞きたい事があるけれど
私は一番気になる事を聞いてみた。
「ね、ねぇ」
「んー?」
「あなたはこんな所で何してるの…?」
風がフワッと吹き、彼の黒髪を揺らす。
何故か、変に、胸の奥がギュンッと動いた気がした。