捨てられない恋
「あー俺? 昼寝。 いや
この時間からして放課後寝、か」
彼はそう言うと近くの大きな木を指差した。
確かに、低い所にあるあの枝は
ドッシリしてて、折れそうにないし
寝心地がよさそうだ。
「俺毎日あそこで寝てんだけど
知らなかった?」
へー…毎日……
「…って、毎日!?」
「そ。
だからあんたが毎日
ゴミ捨てしに来てんのも知ってる」
それも知ってるの!?
まさか他人に見られてたなんて…
(私別に、ここで1人で
変な事とかした日ないよね…)
なんて、思わず不安になる。
「つーか、お前のクラス
掃除終わるの毎日遅くね?
大抵お前がここ来んの最後だし」
ゴミ置き場の番人みたいな言葉に
思わず笑いがこぼれる。