捨てられない恋



「あー俺? 昼寝。 いや
 この時間からして放課後寝、か」




彼はそう言うと近くの大きな木を指差した。




確かに、低い所にあるあの枝は

ドッシリしてて、折れそうにないし
寝心地がよさそうだ。




「俺毎日あそこで寝てんだけど
 知らなかった?」



へー…毎日……




「…って、毎日!?」



「そ。

 だからあんたが毎日
 ゴミ捨てしに来てんのも知ってる」




それも知ってるの!?

まさか他人に見られてたなんて…



(私別に、ここで1人で
 変な事とかした日ないよね…)


なんて、思わず不安になる。



「つーか、お前のクラス
 掃除終わるの毎日遅くね?

 大抵お前がここ来んの最後だし」



ゴミ置き場の番人みたいな言葉に

思わず笑いがこぼれる。




< 12 / 16 >

この作品をシェア

pagetop