捨てられない恋
「あ、あ、頭なら大丈夫です、
正常ですから!」
ついに私の目の前まできた彼に
咄嗟にこの言葉を出すのがやっとで。
彼は私の言葉に目が点になると
数秒後には大声で笑い始めた。
(え、ココ 笑うとこ?)
分からなくなって今度は私が首を傾げる。
「ハハハッ
頭は正常です!って…ハハッ」
「え、だって大丈夫かって
あなたが言ったから…」
「ハハハッお前面白いな!」
静かな校舎裏に、私達の声はよく響く。
「俺が心配したのは体調だよ、体調」