Secret Prince[短篇]
その声に少し安心したのか、自分を落ち着かせる。
無茶苦茶に胸を叩いていた手を止め、自分の横にもっていく。
「ゆ、裕二さん、何で…」
私は抱きしめられてるの?
「…なぁ、俺がお前を好きだって言ったらどうする?」
少しの間のあと、開いた口からはこんな返事が返ってきた。
裕二さんが私を?
ありえない。
私みたいな子供…
きっとからかってるんだ。私が泣きそうだから、笑わせようとしてるんだ。
「あ、あはは。冗談はやめてくださいよー」
なるべく明るく、返事を返す。
「っ痛…」
そう言ったその時、私を包む力が急に強くなった。
「…否定すんな。」
「え…」
裕二さんの胸からはドクドクと少し早めの心臓音が聞こえた。