小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―
とりあえず、奈緒ちゃんに言われた
体育館のトイレに行ってみないと!
私は転がるように階段を降りて、
体育館トイレへ向かった
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げ、妖気!しかも強いじゃん・・・
私が体育館に向かったときには
もう霊気が立ち込めていた
これはひどい・・・
早く黄泉の世界へ行かせなくちゃ!
恐る恐る女子トイレのドアに手を掛ける
《ビリッ!》
「うわっ!・・・ビックリしたぁ」
静電気のごとく、
私の体に走った少量の電気は邪な霊気の印
もしこれを普通の人間が浴びたら、
霊気に取り付かれて
意思を失ってしまうから大変
「早くなんとかしなくちゃね・・・!」
ドアをめいっぱいに開いてみると、
予知されていた通り、
3番目のトイレからは
溢れんばかりの霊気が立ち込めていた
こ、これほどと強いと、
訓練をしてきた身でも
少々気持ちが悪くなる
予知時間は奈緒ちゃんに
電話をもらった時間から5分後・・・
ジャストって所かな・・・
時間を確認し、息を整えながら
3番目トイレのドアの前に立ち
思いっきりドアを開ける
《ガチャ》
「う、うひゃぁあああ!」
そこにいたのは、
「と、トイレの花子さん!?」
おかっぱ頭で赤いスカート、
トイレに住み着く顔お馴染みの
【トイレの・・・花子】
わ、わかってます・・・
「あ、あのどうしたの・・・こんなとこで?」
【迎えに・・・来た・・・】
「だ、誰を・・・?」
【一(はじめ)ちゃんを・・・】
「は、一ちゃん?」
横に目をやると・・・そこには
「きょ、教頭先生!!」
バーコード頭の中年先生、
ちなみに匂いはタバコ臭・・・
名前は一川一(いちかわはじめ)教頭先生
「な、なんでこんなところに教頭先生が・・・」
【一ちゃん・・・好き・・・」
「へ?す、好き?」
【花子に・・・優しくしてくれた・・・】
「や、優しく・・・ねぇ」
【50年前・・・トイレで会った・・・
花子、幽霊だった・・・
でも一ちゃん、友達になってくれた・・・】
教頭先生には幽霊が見えてたんだ・・・
ってことは、
教頭先生にも霊感があるんだね
や、関心してる場合じゃない!