小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―
千歳side
大地の行動を見て、俺も多少分かった
まぁ、怪我をしたのはアイツ
怪我をさせたのは色葉
ってとこだろうな
鈴可も色葉もいないしな
どうせ付き添いだろ
「なぁ、どういうことだよ?千歳?」
廊下を走っていった大地の後姿を見ながら
結城が状況の読めないまま
俺にすがって来る
「自分で考えろ」
俺はそう投げかけ、自分の席に座った
「なぁなぁ、教えてくれよー!」
鬱陶しい奴め
諦めがついていない結城は俺の側に来て
答えを求める
「野次馬があんなにいるだろ、
アイツらに聞けよ」
俺が冷たくすると
奴はちぇーと言い
その場を離れて野次馬へ話を聞きに言った
数分後、やっと理解したのか
奴の叫び声が聞こえる
「俺、保健室行って来る!
千歳も行こうぜ!?」
・・・なんでそこで俺を誘うかよ
「もうすぐホームルームだ、
大地も女子も帰ってくるだろ」
それに栗桃も来るだろうし
「ヤダ、俺行ってくるわ!」
・・・コイツに何を言っても不可能だった
「じゃっ!」
と片手をひょいっと上げて、足取り朗らかに
教室を出ようとしたその時、
「ちょーっと!萩原君!
どこ行くの!?ホームルームの時間よ!?」
「げ!栗桃・・・」
「げ!じゃないわよ!ったく、
早く席座りなさい!」
「でも・・・」
「でもじゃない!
・・・っていうか、何コレ!?」
栗桃が教室に入ってくるなり、
悶絶する
そりゃそうだ
ドアが外れてりゃあ、
ビックリはする
「どうしたの、一体?」
慌てふためく栗桃を見て、
結城が説明をした
「小豆ちゃんがやらかしたんだよ」
「小豆ちゃん?・・・あぁ、小清水さん!?」
わあっと口に手を当て、驚く栗桃
「それで小清水さん、どこ行ったの?」
「保健室だよ、だから俺も・・・」
「行かなくていいわ、何歳よ、あなた?」
小学生だよな、保健室行くとかいって
便乗していくのは
「じゃあ、とりあえず、
ホームルームを始めるので、席に座って頂戴」
栗桃の声で野次馬達が
席に座り始めた
「ちぇ、保健室・・・」
コイツは本当にサボりたかったのかもな
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