小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―

だって・・・恥ずかしいし」

「おま・・・
 恥ずかしい恥ずかしいばっかじゃん!?」

「だって!!本当の事だもん!!」

この主張だけは、

私も彼の目を真っ直ぐ見て言った

でも彼は真面目に受け取ろうとはしなかった

「じゃ、名前を5回呼んだら、ご褒美やるよ?」

「え、ご褒美・・・?」

「おし、食いついた」

・・・しまった、思わず

でも怯まない

「ご、ご褒美って・・・何?」

「ちゅー」

・・・え

「ちゅー?」

「そ、ちゅーやるよ」

ちゅーって・・・え、ちょっと!!

「わ、私、ネズミ貰っても嬉しくないもん!!」

ちなみに私、動物はウサギが好きだ

ピョンピョンしてて可愛い

だから貰えるならウサギがいい

「・・・ぶ」

「え、どうしたの?」

奴はいきなり笑いをこらえ始めた

私は軽く焦った

え、何かした・・・

ていうか、どうした!?

「おま、ふざけんなよ!!
 ちゅーって!!マジアホだろ!!」

え・・・

「ぷ、うはははあああっ!アホアホ!!
 お前幼稚だろ!!つか天然だろ!!」

「ちょ、なんでそんな事
 言われなきゃなんないのよ!!」

「わりわり、でもなー、
 ちゅーをネズミにすんなよなー」

だって・・・じゃあ何なのよ!!

ちゅーってちゅーって・・・

ネズミじゃない!!

心と頭でフル回転

でもちゅーといえばネズミしか頭にない

それを見かねた彼は呆れて私を見返した

「ちゅーって言うのはなー」

彼は私の顔に手を当てた

その時心臓が跳ねとんだ

「キスの事だよ」

・・・は、キス・・・

え、キス!?

キスって・・・あの・・・

「私、魚もいらないよ!!」

バカにしてんのか!?

えぇ?この男は!!

ドキドキしてるのも、

段々バカらしくなってきたので

勝手にぷくーっと頬を膨らませる私を見て

彼は目を逸らし、視線をはずした

まーどうしてかって言うと・・・

「ぶ、ぷ、う、はははははああああっ!!
 お前こそ俺をバカにしてんなー!?」

笑いながら私を怒った

・・・意味わかんない

「お前こそな」

「・・・へ」

さっきまで笑ってたのに、

いきなり真剣な表情になった

「・・・何?」

これでは私も目を逸らせなくなる

「お前な、ちゅーもキスも通じないのか?」

んな事言われても、わかるわけがない

「わ、私は・・・」

「じゃあ、これならわかるかー?」

軽くすまして彼が言う

再び、私の頬に手を置き、一気に顔を近づけた

その拍子に私の心臓も心臓が羽飛んだ

「どうだ?」

・・・どうだと言われても・・・ねえ

「じゃあ、昔で言うと・・・接吻」
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