続・俺様王子の初恋
腰を上げたお父さんの腕を
美夏さんが掴んだ。
「 それは”逃げ”ですよ。
最後まできちんと話してください 」
「 ・・・美夏 」
「 座ってください 」
いつもより厳しい美夏さんの声が
リビングに響いて、お父さんが再度
ソファに腰を下ろした。
「 もう話なんてないだろう 」
「 勝手に話を終わらせたんでしょう? 」
キツい口調に押されてか、
お父さんは溜息を零して少し黙った。
「 ”俺の”気持ちは葵と同じ。
俺は気の迷いなんかで、人生
棒に振るほどバカじゃない。
・・・・それくらい、知ってるだろ 」
”親なら”
再度、強く握られた手に
無意識に涙が溢れそうになった。