続・俺様王子の初恋





「 今までの泰雅だったらこの
  三ヶ月の間で抜け出すか、
  暴れるかしてますよ。
  葵ちゃんがいたから
  大人しくしていられたんですよ 」


「 ・・・・どうだか 」


「 ”今まで”の泰雅と”今”の泰雅、
  違いが分かりますか? 」





悠太さんがそうお父さんに
問いかけて、黙り込むお父さんを見て
小さく笑った。





「 ・・・・大人になりましたよ。
  自分のことを後回しにして
  葵ちゃんを第一に考える
  ”男”になったんですよ? 」





”俺のために”





最初はそうだった先輩が
今でも私の隣にいることが
奇跡に近い、と思う。





あの先輩が私なんかのために
傷ついて、努力して、我慢して、
今まで常に高く保ってきたプライドを
打ち砕いている。







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