続・俺様王子の初恋
「 ・・・・泰雅? 」
「 ん? 」
「 もう、真っ暗ですよ・・? 」
まだ7時過ぎ。
山道で灯りもなく
車のライトがなければ
周りは見えないほどだった。
「 まぁ、ちょっと予定狂ったけど
・・・・いいんじゃねぇの 」
目的地はもうすぐそこだ。
別に暗いのは嫌いじゃないし
大して怖いとも思わない。
平然とする俺の横で葵は
肩を震わせていた。
「 ・・・・怖ぇの? 」
「 当たり前じゃないですか!! 」
シートベルトを両手で握って
目を瞑っている葵を見ていると
───────────・・泣かせたくなる。