続・俺様王子の初恋
「 ・・・・なに・・・なに? 」
俺は葵の後ろに移動して
目を瞑ったままの葵の
耳元に口を寄せる。
「 目、開けて 」
今年はまだ雪が降ってないから
最初から予定は少し狂っていた。
雪が降る中、この展望台から
見る景色は言葉を失うほどに綺麗だ。
暗ければ暗いほどに街の灯りが
際立って景色に色が付く。
俺が来たときは雪が降っていた。
けど、晴れた夜空は星がある。
これもこれで、悪くはない。
「 ・・・・葵? 」
まだ目を開けていないのか
何も話さない葵に声をかけ、
顔を覗き込んだ。