青薔薇に愛を込めて


「渡人はこの世界に恩恵をもたらす尊い存在だと言われてるんだ。渡人は皆、高度な技術を携えて現れるからね。そして神の使者とも呼ばれている。神の使いと言えば代神官も同じようなものだけど、彼らは民の精神の安寧、渡人は文明の成長を主としているから、違うと言えば違う」



私が…渡人?神の使者?

次から次へと新しい情報が溢れて混乱しそう。



「まあ、そんなことは良いんだけど。……渡人は発見され次第、代神官から神の言葉を賜るのが伝統なんだ。けれどここ最近は代神官は現れていない。だからとりあえず、今、神に一番近いローニャに君の渡人としての未来を視てもらうことにしたんだ」


長々と話終えて、一息ついた彼は前方に視線を戻した。

茫然自失のままその視線を追えば、ちょうどローニャくんが泉の水に腰まで浸かりながら、社へ近付いているところだった。



未来を視る…

さっき、一度だけジュリアさんに神官長と呼ばれていたけど、そんなにすごい力があったなんて。


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