強引な次期社長の熱烈プロポーズ

4.予想外の行動



百合香は真っ直ぐに帰宅して、久々の一人きりの夜を過ごしていた。
ここ最近はほぼ柳瀬と一緒。柳瀬が居なかった時間は綾や江川と一緒にいたりで、あまり一人きりにならなかった気がする。
それはすごく助かっていた。

時計を見ると午後10時を回っている。

店を出たのは大体8時半。それから飲み会となればもうそろそろお開きになるかというところ。多分、明日から出張と言うことを考えたらそれ以上飲みに行くことは考えにくい…

ただ····ただ、“彼女”が。

美雪はもしかしたら柳瀬を誘っているかもしれない。
それでも自分は信じて柳瀬からの連絡を待つしかない。

携帯電話ってこんなとき、微妙だと思った。
便利が故にいつでも連絡が取れる。だけど逆にそんないつでも連絡が取れるという状況下にも関わらず、連絡がなかなかこない·連絡出来ない。そんなジレンマにどうしようもなく落ち着かない自分がいた。

何度も何度も携帯の画面だけを見て、もどかしく思う。

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