強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「怒らないから。明日、会ってきちんと話そう」

そう百合香に言ったのと同時だった。


ブーッ


部屋のチャイムが鳴った。

『なんか音がしましたよね…？』

電話の向こうまで聞こえたようだ。
何かと思ってドアの前に立ってレンズから外を確認した。


「！！」


そこには美雪が立っていた。なにかとても困ったような顔をして。


『智さん？切りましょうか？』
「いや···」


返答に困った時だった。
僅かな声を聞き取って、美雪がドアを何度かノックした。


「柳瀬さんっ…！！」


いつもの余裕な美雪ではなくてなにか追い詰められたような雰囲気に柳瀬も気になってしまってそのままドアを開けた。


「何かあったんですか？」


そして美雪はまた柳瀬のテリトリーへと侵入してくる。