強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「無駄だよ、信号が変わるまでに言って」


せっかく楽しい1日を、もしかしたら明日からの幸せを、自分がこれから言う一言で台無しにしてしまうかもしれない。

だけどやっぱりこれを聞かないと私は左手の指輪も、智さんと一緒にいることも、この先全ての通過点でずっと引っ掛かり続けて。
そして溜まった想いは吐き出せずに、固まっていく。

書きたくても、インクが流れ出てこない放置した万年筆のように、伝えたいことが伝えられなくなっていく。


「百合香。言って」


信号が青に変わるギリギリで、百合香は全てを吐露した。






「智さん…私でいいんですか?本当はもっと前から心に想う人がいるんじゃないんですか?」



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