「浮気するなら、バレないように。」

あとから知った事実を補足すると、彼、一条皇弥は、超お金持ちの家の一人息子で、両親はよくニュースで目にする美形経営者。

あの親にしてこの子あり、というか。
両親共に驚くほど若々しく美しいのだ。


お母様は、女性だったら誰しもああなりたいと願うのではないかと思うほどに素晴らしい人。
容姿はもちろん、篠山財閥の令嬢だったからというだけでなく、実力で新しい事業を開拓している様は、誰もが憧れるに相応しい。

お父様はテレビの前では寡黙な方であまり多くを語っているのは見たことがないけれど、その立姿からしてデキる男オーラが漂っていて、色気が半端じゃない。


そしてなにより憧れるのは、二人の仲睦まじさ。
お互いに愛し合い、信頼し合っていることがテレビの画面越しにも感じ取ることができる。


あんな恋愛がしたい、と。高校生ながらに思ったものだ。


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