「浮気するなら、バレないように。」
つまり、なにが言いたいのかというと。
一条皇弥は、私にとって雲の上の存在だったということ。
家柄的にも、容姿的にも。
どう考えても不釣り合いで、相容れない。
私はそれを自覚していたから、彼に恋をしなかった。
彼の両親のような恋愛を、彼としたいだなんて恐れ多いこと、考えもしなかった。
見ているだけでよくて、すれ違うだけで満足だった。
あわよくば、何かの間違いで目が合えばいいな、とか。
その程度の、ものだった。
それ以上は決して望まなかった。
それなのに、どうして。
卒業して2年経った今になって、こんなことに。