椿姫-ツバキヒメ-



部屋の前に付くと
少女は時代を感じさせる

障子の戸を横にスライドさせ
一礼すると、部屋に入る様促した。


私が部屋に入ると少女も
部屋に入りキッチリと戸を閉めた。



グルンッ


勢い良く体を回転させ
私と向かい合わせになる。


ガシッ!



小さな手で両肩を掴まれた。



「貴女は濃姫様ではありませんよね?」



それは、確信の目だった。

きっと、嘘をついても無駄。


コクコクと、何度か縦に首を振った。



< 21 / 38 >

この作品をシェア

pagetop