椿姫-ツバキヒメ-
部屋の前に付くと
少女は時代を感じさせる
障子の戸を横にスライドさせ
一礼すると、部屋に入る様促した。
私が部屋に入ると少女も
部屋に入りキッチリと戸を閉めた。
グルンッ
勢い良く体を回転させ
私と向かい合わせになる。
ガシッ!
小さな手で両肩を掴まれた。
「貴女は濃姫様ではありませんよね?」
それは、確信の目だった。
きっと、嘘をついても無駄。
コクコクと、何度か縦に首を振った。