特上男子
気持ちを誤魔化す様に携帯をいじいじ……。


やけど周りが騒がし過ぎて今の自分の行動は余計惨めな気持ちにさせた。



『どうぞっ』

「えっ……?」

『甘いの嫌い?』



可愛い顔を傾ける亮一さんにブンブン首を横にふってみせた。



「大好きですっ!!」

『ならこれ好きだと思うよっ。待たされてんだからいっぱい飲み食いしちゃいなよっ』



私は笑って飲み物を受け取った。


白っぽくて甘い匂いがする。



「甘くて美味しいー……」

『腹は?まだ食べれそう?』

「はいっ」

『んじゃ、ちょっと待っててな。あっ!好き嫌いは?』

「辛くなければ何でも大丈夫ですっ」

『はいよっ』



亮一さんは満面の笑みを見せると背中を向けて、裏に入っていった。


めっちゃいい人……。


私は料理が出てくる迄の間、亮一さんチョイスのドリンクをちびちびと飲んだ。


コーヒー牛乳みたいな味で飲みやすい。







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