年上の彼氏。

コンコン


「………」


あれ?
誰も居ないのか?

ノックをしたものの、返答は来ない…


「いませんか?入りますよ?」


一言言ってから、ゆっくりとドアを開ける。

中に入ると飛び込んできた光景に驚いた。


「大丈夫ですか!?」


そこには苦しそうに椅子に座っている女子がいた。

呼吸は乱れ、体調が悪そうだった。

慌てて駆け寄り、手を握る。

すると、少し顔色は変わったものの、今度は涙を流してしまった。

え!?どうしたんだ、この子…

具合が悪いんだろうか…

俺はどうすればいいのか全然わからなくて、とりあえず声をかけてあげた。



「大丈夫、落ち着いて」


その言葉とともに彼女は意識を失ってしまった。


「ど、どうすれば…」


困った俺はとりあえず、彼女を抱き上げ急いで保健室に駆け込んだ。


バンッ!!


勢いよく開けた保健室のドア。中には女性が驚いた表情でこちらを見ていた。


「あのっ、生徒会室で生徒が気を失ってしまって…!」


その言葉を聞いた瞬間、固まっていた女性はハッ!と我にかえったように駆け寄った。

その女性は養護教諭だった。


「天宮寺さんじゃない!!どうしたの!?」


「えっと、生徒会室に行ったら気分が悪そうで駆け寄ったら気を失ってしまったんです」


俺は今までの様子を説明した。

すると、女性は…


「過呼吸を起こしてしまったのね…こっちのベットに寝かせてください!」


俺は言われるがままにベットに横にさせた。

彼女の顔色は先程よりも随分楽そうだった。

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