年上の彼氏。

「あなた、今日赴任してきた宮下先生ね。」


彼女の容態が落ち着いてきたところで河村先生という養護教諭の女性が俺に尋ねてきた。


「あ、はい。宮下 柚留といいます」


頭を下げながら軽く自己紹介した。


「それじゃあ、天宮寺さんのクラス担当じゃない?」

「天宮寺…って彼女のことですか?」


俺はベットに横たわっている彼女を指差しながら、聞いた。


「そうよ。彼女はこの学園で生徒会長をやっていて、学園で1番優秀な生徒よ」

「そんなすごい子なんですか…」


俺はそれから彼女のことを色々聞いた。

その間に寝ている彼女は小さな寝言を呟いた。



『助けて…』


河村先生は聞こえてないようだった。


だけど、俺にはしっかりと聞き取れた。




その一言だけで、俺は彼女のことを気になり出した。
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