年上の彼氏。
†あなたのこと†



「う…」


どこ…ここ…

ぼーっとする意識の中、最初に目に飛び込んで来たのは真っ白な天井。


保健室か…

そうだ、あたし生徒会室に行って仕事をしようとして、そしたら蒼大から…………


ガバッ!


「…うっ!」


いきなり飛び起きたせいで、めまいがした。

その時、カーテンが開いた。


シャッ!!


「起きましたか、天宮寺さん…って!いきなり起き上がったらだめですよ!」


入ってきたのは、養護教諭の河村先生。


「河村先生…」


河村先生は、あたしに駆け寄ってきて、横にさせた。
あたしは、促されるままに横になった。

そして、先生に聞いた。


「あの…私はどうなったのでしょうか?」


意識を失ってからの記憶は全くない。

意識を失う前も朦朧としていたため、あまり定かではない。


「天宮寺さんは過呼吸を起こしてそのまま気を失ってしまったのよ。慌てて先生が運んできた時はどうしたのかと思ったわ」


微笑みながら言う河村先生はあたしに紅茶を淹れてくれた。

あたしはそれを受け取り口に含んだ。


「そうですか…ご迷惑をかけてしまってすみませんでした。ありがとうございます」


あたしはティーカップを持ったまま、河村先生に深く頭を下げた。


「気にしないで。それに、お礼を言うなら宮下先生に言ってね」


柔らかい物腰にあたしも安心させられた。

だけど、先生の口から出た宮下先生という言葉に疑問を持った。


「宮下先生というのは…?」


あたしの質問に河村先生は

「あぁ!もしかして、まだ会ってないのね?」


と言ったが、あたしにはその意味が分からなかった。

「会ってない、というのは?」


「宮下先生は天宮寺さんのクラスの新しい外国語教師よ」


あたしのクラスの…

新しい外国語教師…




< 14 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop