年上の彼氏。

打ち明けると、宮下先生はしばらく黙ったままだった…

やっぱり、こんなことを言うんじゃなかった。

あたしは後悔の気持ちでいっぱいだった…

あたしが下を向いてうつむいていると、


「つらかったね…」


予想もしなかった言葉にあたしはバッ!と顔を上げた。

見上げた時見えた宮下先生の表情はとても優しかった。

あたしは胸が締め付けられるようだった。


「よく、1人でここまで頑張ったね。でも、大丈夫。もう1人じゃないですから」


あたしにとってその言葉は何よりも安心感を与えてくれるものだった。


「また、何かあったら言ってください。すぐに駆けつけますから。って言っても赴任してきたばかりの俺に力になれることなんてないかもしれないですけど…」

苦笑いをする宮下先生にあたしは、


「そんなことありません。宮下先生に聞いてもらえただけであたしはとても安心しました。感謝してます」

あたしの言葉を聞いた宮下先生は笑顔でお礼を言ってきた。




そのあと、松下先生は授業があるからと生徒会室を出ていき、あたしも気合いを入れて仕事をした。

いつもははかどらない仕事も今日はなんだかとてもはかどった。

全部の仕事がいつもより早く終わったから、教室に戻ることにした。


「今は、ちょうど4限目が終わる頃かな…」


携帯の時計を見て急いで教室に戻る。

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