年上の彼氏。

「宮下…さん。でいいんですか?」


とりあえず呼んでみると、宮下…さんは嬉しそうな笑顔を見せた。

あたしは胸に手をあてた。ドキドキしてる…

こんなトキメキの連続にあたしの心臓は持つのかなぁ…?


*************


「着きましたよ」


車を停め、先生が降りた。
そこには、灯りがついていない一軒家だった。

結構新しい造りで、大きい。

あたしは車から降り、あたしの荷物を持ってくれてる宮下先生の後ろについていった。


「ここ、俺の実家なんですけど、今は俺1人しか住んでないんでゆっくりしてください」


玄関の鍵を開けてドアを開ける宮下先生の言葉にあたしは驚いた。

つまりは、あたしと先生の2人きりってことだよね…

そんなことを考えてしまったあたしはまた鼓動が早くなった。


「お邪魔します…」


あたしは先生に続いて家に入った。


「こっちがリビングです」

案内されたのはシンプルな感じに統一されてキチンと整理整頓されてる広い部屋だった。

あたしは部屋をキョロキョロと見回していた。

先生、ここに独り暮らしってさっき言ってたけど…

全然散らかってないなぁ…
あたしは先生のことをまた新しく知れて嬉しかった。

「とりあえず、荷物はここに置いておきますね。適当に座ってください」


先生はあたしの荷物をリビングの隅に置いた。

あたしはとりあえずソファに座った。

なんか、緊張するなぁ〜

男の人の部屋に上がることなんて滅多にないし…

落ち着かないあたしに対して先生はリビングに隣接してあるキッチンで何かゴソゴソとやっていた。

あたしは気になって先生の方に足を運んだ。


「何をしているんですか?」


冷蔵庫の前で何やら考え込んでる先生をのぞきこんだ。

すると、


「いや…いざ、招いたのはいいとして、俺あんまり料理したことないんですよね…」


先生は顔を赤らめながら恥ずかしそうにあたしに言った。

あたしはその言葉を聞いてハッとした。


「あの、じゃあ、私がキッチンお借りしてもよろしいですか?」


あたしは居候させてもらうお礼として何かしなきゃと考えていた。

あたしは結構料理をする。他のお嬢様達は専属シェフに作らせていたけどあたしは自分で作るのが得意だった。

これは絶好のチャンスだ、と思って先生にかけあった。
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