契約の婚約者
「沙希は嫌じゃないんでしょ?嫌だったら絶対に部屋に入れないし、エッチだってしないよね?」


「そうだけど……」


嫌じゃないから困る。


この甘ったるくて疼くような感じを何とかして欲しい。


「片桐さんも思い切ったよねぇ?」


奈央が感嘆の色が混じった溜息を漏らす。


納得したのか、奈央のワイドショーレポーターは終了したようだ。


「沙希と結婚だなんて、余程好きじゃないと踏み切らないと思うわ」


「失礼ね、人を珍獣みたいに……」


「沙希のことすごく好きなのね、金曜の夜も沙希を見る目がすごく優しかったもの。沙希だって、片桐さんに素の自分見せてるし、甘えている証拠よ!」


「はぁ?」



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