契約の婚約者
「日本の花見みたいなものだって、高を括っていたら、酷い目にあったよ。カタギリさん、行ったことないの?」


「ミュニックは何度か行ったいるが、シュタルク・フェストの時期じゃなかったからな」


「一度行ったらいいよ、浴びるほど飲めるよ」


「じゃぁ、俺たちの新婚旅行は春にドイツだな?」


片桐はさも当たり前のように聞いてくる。


「はぁ?何でそうなるの?すぐに結婚するなんて言ってない」


「まだ一年あるだろ?すぐじゃない」


「私にしてみれば、一年なんてすぐだよ」


折角ビールを楽しんでいるのに、水を差すのはやめて欲しい。


沙希はこのシリアルナンバー付きの限定ビールが急にまずくなった気がした。



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