契約の婚約者
片桐と時を過ごせば過ごすほど、沙希の中に新しい感情が芽生える。


それは、まるで花が蕾からほころぶように、感情が開花した。


初めて経験する感情だったからかもしれない。


誰かを必要とすることがなかった沙希にとって初めて心の底から欲しいと思えた男だったから……



沙希は自分の中の変化に戸惑いながらも、それを包み込むように受け止めてくれる片桐に身も心も委ねるようになっていった。

< 190 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop