契約の婚約者
そして、とうとうお別れのとき----
セキュリティーチェックカウンター前で奈央と修一を見送る。
「奈央、修一と別れたらすぐに帰ってくるんだよ?」
「もう、沙希ったら、最後までそんなこと言って……」
奈央の目尻に薄っすらと涙が光る。
「俺は絶対に奈央を離さねぇよ!」
修一はぎゅっと奈央の手を握り、奈央を見つめた。奈央も嬉しそうに修一を見つめ返す。
「アホくさ、飛行機の中でやっててよ」
小さくため息をつき、奈央にこんな幸せそうな顔をさせられるのは、やはりこの下半身男しかいないのか、と沙希もとうとう諦めた。