契約の婚約者
側で話を聞いてあげることはできないけど、それは、もう沙希の役目ではない。


奈央を奪っていくこの男に託さなければ-----


沙希はやっぱり悔しくて、その感情を隠すように片桐の手をぎゅっと握った。


片桐は何も言わず、強く沙希の手を握り返してくれる。



私にはこの手がある。



     だから、大丈夫----



沙希はそう自分に言い聞かせた。



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