契約の婚約者
「いつから出勤だ?」


「明日からですよ。休んでいる暇はありません」


「そうか。相変わらずタフだな?」


「片桐さん----」


最後に修一は片桐に確かめたかったことを意を決して尋ねる。


「俺が次に日本に帰ってくるとき、まだ本社にいてくれますよね?」


いつかこの人は去っていくのかもしれない、そんな危機感を修一はずっと持っていた。


一緒に仕事をしたのはたった2ヶ月だったが、こんな会社の一管理職で終わる人ではない、そんな予感がした。


奈央から片桐が片桐グループの後継者だと聞き、いやな予感が当たったと、修一にしては珍しく落ち込んだ。



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