契約の婚約者
最近の自分はいつもこんな感じだ。


牙を剥き出しに、反抗していた頃の沙希を知っているからこそ、彼女のこんな姿が愛しくてたまらない。


手に負えない猛獣を懐かせた気分でいたが、どうやら手の平の上で転がされているのは自分のような気がしてならない。


自分の指に、唇に、我を忘れて感じる沙希に


溺れているのは多分自分の方----


激しく喘ぐ彼女に、今までこんな姿を他の男にも見せたのだろうか、とつまらない嫉妬すら覚える。



この俺が目に見えない男に嫉妬するとは、世も末だな……



片桐は自分の腕の中で意識を飛ばす沙希を強く抱きしめ、小さな嫉妬心を払拭するように容赦なく腰を打ちつけた。



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