契約の婚約者
「辛いとき、いつも沙希は私の傍にいてくれたから……それだけで十分。それに沙希の性格も性癖も良く知ってるしね?」


そう言って奈央はまたクスクス笑った。


今日の酒は笑い上戸らしい。


「奈央……」


「ねぇ、でも、これだけは聞いていい?」


何か言いかけた沙希を奈央は質問で遮る。


「ん、何?」


「私がニューヨーク行っても-----変わらず友達でいてくれる?」


余りにも素っ頓狂な奈央の問いに、へ?とつい間抜けな声を出してしまう。


奈央は沙希との距離を詰め、どうなの?と上目遣いで迫ってくる。


「沙希は面倒くさがりだから、メールとか返信してくれそうにないし、電話かけても数分で切られそうだし……」


奈央は何も言わない沙希にブツブツと文句をつけてくる。



< 71 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop