契約の婚約者
「何か、今日は頭が爆発しそうだわ。どうりで……お金持ちだとは思っていたけど、一条コーポレーションの令嬢だとは……」


「すごいでしょ?私完璧じゃない?」


「はは……そうね、もう敵なしね……」


奈央の笑いが空を切っている。


「ほら、飲め、飲め♪」


「もう、日本発つ前にこんなカミングアウトしないでよ~」


「バカだね?いなくなるから言ったんじゃん?」


「???何で内緒にしているの?」


奈央の素朴な疑問。


「ん~まぁ、色々とね、一条の名前が絡むと面倒だから……」


沙希ははぐらかすように言葉を濁した。


「そう、なんだ。まっ、どうでもいいか?」


「簡単に言ってくれるなぁ……」


「だって、やっぱ沙希は沙希で、変わらないじゃない?」


そう言って微笑む奈央はやっぱり眩しいくらいにかわいかった。



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